みなさんは、船を利用したことはありますか。みなさんの身近にあるフェリーのような「旅客船」、他にも物を運ぶ「貨物船」など、四方を海に囲まれた日本では、「海上輸送」が私たちの暮らしや産業を支えるライフラインとして重要な役割を果たしています。
中国運輸局では、旅客船や貨物船の航行の安全確保、船の上で働く船員の労働環境の整備、海事産業の活性化に関する取り組みなどを通じて、皆様の暮らしを支えています。
河: 今は、主に旅客船に関わるお仕事をしています。旅客船の中でも、離島補助航路と言って、一定の要件を満たした航路について、島民の日常生活を支えるうえで必要不可欠な航路として、その航路の維持・確保のために、県や地元市町村と共に支援を行うことが主な業務です。橋も架かっていない離島では、旅客船の航路が島民にとって生命線ともいえるほどとても大事な存在です。少子高齢化もあり島民人口が軒並み減少傾向にある中、いかにその航路を維持し確保していくのかという難しい問題に向き合っています。
旅客課では、離島補助航路以外にも、旅客船の運航計画に関わる仕事なども所管しています。
坪: 主に「内航海運」に関わるお仕事をしています。内航海運とは簡単に言うと、国内の荷物を船で運ぶことです。内航海運の事業者や使用する船の審査や登録が主な業務です。運送の仲介をする事業者の登録や監査、指導も行っています。他にも、外国船の入港と外国船での内航に関する特許の手続きも行います。
また、港では貨物船で運ばれたものをトラックへ積み換えたり、反対にトラックから船へ積み換えたりといった作業が行われています。そういった作業を港湾運送といいます。港湾運送事業に関する登録や監査、指導も当課の大切な仕事です。
中: 私は主に「船舶の登録業務」を行っています。総トン数20トン以上の船は国へ手続きを行い、登録を受け、船舶国籍証書の交付を受けなければ、航行することができません。当課には、それらの手続きを行いに海事代理士さんなどが来訪されます。来訪された方から書類を受け取り、法律・事務手順に則って申請の審査を行っています。
私は担当していませんが、海上安全環境部の事務官は、他にも「船員(船の上で働く人)の労働環境の整備に関わる仕事」、「船員の資格を扱う仕事」などがあります。どれも、安全な海上輸送の確保を目的としてお仕事を行っています。
河: 私は大学時代にパークアンドライド(交通政策)の研究をしていて、運輸局に関連する分野だったので官庁訪問に行ってみたというのがきっかけです。どうしても運輸局に行きたかったというわけではありません(笑)。公務という職場は、堅いイメージがありましたが、官庁訪問で接してくれた人事担当者や面接官の雰囲気がとてもフランクな感じで、直感的にここがいいなと感じました。実際に入省し働いてみると、感じたとおりの風通しが良い職場だったので、自分の直感は間違っていなかったと思っています。ようするにフィーリングですね!参考になるような気の利いたコメントができず申し訳ないです・・・(笑)。
坪: 私も似ているんですが、電車、船など乗り物が好きだったのと、説明会に参加した際に、人事担当の方が優しくて親切だったのでこういう人と働けるのはいいなと思いました。実際に働いてみても親切な方が多くて、働きやすい職場だと思います。
中: 私も、官庁訪問のときの担当の方が優しくて、雰囲気のいい職場だと思ったのと、幼い時から海が身近にあったので、海関係の仕事もいいなと思いました。他にも観光・交通政策などいろいろな分野があるので、様々なお仕事に挑戦できて面白そうだと思い、入ろうと思いました。
河: 公務の仕事はどこもそうですけど、だいたい2、3年くらいの間隔で異動があり、仕事内容がガラっと変わりますので、それに慣れるまでがやっぱり大変だなぁと異動時期になると感じます。ただ、地方自治体ですと、かなり幅広い分野を所掌しているので、全く異なる仕事になることもあると思いますが、運輸局は、公共交通政策でも、観光振興でも、基本的に「人やモノの移動」という共通軸があるので、ある程度の専門性があり、これまでの知識や経験が活かされていくのはいいことだと思います。
転勤については、たしかにありますが、個人的にはいろいろなところに住めることはとても貴重なことだと思います。その土地に行って知ることはたくさんあって、過疎化や高齢化が進んでいる地方都市、政令指定都市である広島市や、時には東京など様々な場所で仕事をすることで、自身の業務の幅が広がりました。プライベートでも友達や知り合いがその転勤先でできます。少し大げさですが、自身の出身地の他に、ふるさとがいくつもあるという感覚になります。
坪: 私も、今まで広島、岡山、山口と異動がありました。河内さんがおっしゃるように、異動で新たに覚えることがあるのは大変でしたが、それぞれのお仕事に関連性が多少なりあるのは、全く分野が異なることをやるよりは良かったかなと思います。
あと、入省すぐの1年目は窓口業務を主に担当していましたが、最初の頃は分からないことばかりで、窓口に来られるお客さんの対応に困ったこともありました。でも、周りの先輩方が助けてくださったのですごく心強かったですし、徐々に慣れて行って、自分1人でも対応できるようにもなっていきました。あと、窓口業務で一般の方や事業者さんとのお仕事をしているうちに、相手の立場や状況を考えて、説明したりするようになり、個人的に大人になったなあと感じたこともあります(笑)。
中: 入ったばかりの頃は仕事を覚えるのが大変でした。電話の取り方、メールの書き方など社会人として基本的なことや、業務の知識はもちろん、行政文書の扱いといった様々なルールなど、いろいろと覚えるのが大変でした。でも、上司やまわりの先輩方が親切に教えてくださったので、大きなストレスなく慣れていくことができました。当時の先輩方には大変感謝しています。